C++のクラス定義・クラスでのスタック実装
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前ページで、構造体でのスタック実装を見ました。
構造体でもスタックを実装できましたが、この場合、構造体のデータへのアクセス保護などは考慮されていません。
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C++のクラスを利用すれば、構造体のようにデータを保持すると同時に、データを操作する一連の関数(メソッド)とアクセス保護を設定できます。
まずは、C++のクラス定義の仕方を軽く見てみます。
C++のクラス
// スタッククラス class stack { private: int count; // スタック内の要素の数 int data[STACK_SIZE]; // 要素 public: // スタック初期化 void init(); // スタックにプッシュ void push(const int item); // スタックからポップ int pop(); };
クラス内で、private宣言を行ったメンバ(メンバ変数とメンバ関数、またはプロパティとメソッド)には、クラスの外部からはアクセスできません。
アクセス制限には、private、public、protected の3種類があり、publicは、クラス外部からもアクセスできます。
protectedは、クラス内および継承クラスからアクセスできます。
このあたりのアクセス制限は、PHPと同じですので、PHPが分かればC++も理解しやすいですね。
C++クラスでのスタック実装
/*********************************** Stack 整数型のスタックを実装する ***********************************/ #include <assert.h> #include <cstdlib> #include <iostream> const int STACK_SIZE = 100; // スタックの最大サイズ /*********************************** stackクラス 整数型のスタックを実装するクラス メンバ関数(メソッド) init :スタック初期化 push :スタックに要素プッシュ pop :スタックから要素ポップ ***********************************/ class stack { private: int count; // スタック内の要素の数 int data[STACK_SIZE]; // 要素 public: // スタック初期化 void init(); // スタックに要素をプッシュ void push(const int item); // スタックから要素をポップ int pop(); }; /*********************************** stack::init スタックの初期化 ************************************/ inline void stack::init() { count = 0; // スタックの要素数を0に設定 } /*********************************** stack::push プッシュ演算。 スタックの最後に要素を追加して、 要素数をインクリメントする。 引数 item :追加する要素の値 戻り値 :なし ************************************/ inline void stack::push(const int item) { assert((count >= 0) && (count <= static_cast<int>(sizeof(data)/sizeof(data[0])))); data[count] = item; ++count; } /*********************************** stack::pop ポップ演算。 スタックの先頭要素を取り出して、 要素数をデクリメントする。 戻り値 :スタックの最後の値 ************************************/ inline int stack::pop() { // スタックの要素数をデクリメント --count; assert((count >= 0) && (count < static_cast<int>(sizeof(data)/sizeof(data[0])))); // 最後の値を返す return (data[count]); } // スタックをテストするためのルーチン int main() { // stackを使用可能にする class stack a_stack; // stack構造体の宣言。classは省略可。 a_stack.init(); // stackの初期化 // 要素をスタックにプッシュ a_stack.push(5); a_stack.push(7); a_stack.push(2); a_stack.push(1); a_stack.push(2); a_stack.push(3); // スタックから要素をポップ std::cout << a_stack.pop() << "\n"; std::cout << a_stack.pop() << "\n"; std::cout << a_stack.pop() << "\n"; std::cout << a_stack.pop() << "\n"; std::cout << a_stack.pop() << "\n"; std::cout << a_stack.pop() << "\n"; return 0; }
注意点としては・・・
1.クラス本体では、メンバ関数のプロトタイプを宣言。「void push(const int item);」など。
2.関数プロトタイプで宣言したメンバ関数(メソッド)を実装する。「inline void stack::push(const int item)」と、「stack::pushと「::」を書くことで、pushメソッドが、stackクラスに属する意味となります。
3.クラスの利用時には・・・「class stack a_stack;」で、新しいオブジェクトを生成し、「a_stack.push(5);」と、オブジェクト名とメンバを、「.」でつなぐことで呼び出せます。
実行結果。
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