世代間の労働への意識格差は埋まらない
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会社への忠誠を誓い、会社のために滅私奉公して働け、と企業の経営者・幹部が唱えたところで、現代の若者の多くの心には、その言葉は届きません。
「10年は泥のように働け」「無理です」――今年も学生と経営者が討論 − @IT
田口氏が学生に「10年は泥のように働けます、という人は」と挙手を求めたところ、手を挙げた学生は1人もいなかった。
正直言って、10年後も同じ会社・組織に勤め続けると確信している20〜30代の、労働者のうちの若い世代は、どのくらいの割合なのだろうか。
私の周りを見回しても、多くが転職経験者であり、10年後同じ会社に勤め続けていると確信している労働者の割合は、相当に少なくなっているはずです。
G-SHOCK発売25周年記念調査 〜25歳、50歳にみる仕事とプライベートに対する感覚・意識比較〜 Generation SHOCK!! – カシオ計算機株式会社
会社の宴会や飲み会と大事な人との約束(食事・デート)と重なった場合、25歳は会社の飲み会を優先する人はわずか2割。25年前は会社の飲み会を優先する人の方が4割いたのに対し、圧倒的に異なる結果になりました。
というか、1990年頃のバブル崩壊後、不景気や就職難、リストラ、粉飾決算、外資買収、企業倒産、パート・アルバイト・派遣などいつでも切り捨て可能な人員雇用、などの経済界の動きを、身近で目の当たりにしている若者にとっては、企業を信用して生涯忠誠を誓って働け、というほうが無理に決まっています。
若者が根性無しと言う前に、経済界・企業の経営幹部の方々は、我が身を省みるべきでしょう。
25年前に比べて、今の若い世代は、もしかすると今勤めている会社を一生当てにはできないかもしれない、ということを肌感覚で分かっているはず。
だから、会社という組織への優先順位が低くなるのは当然と言えば当然。
寄らば大樹の陰よろしく、企業に勤めていれば、給料は右肩上がりで一生安心、老後も年金で安心、なんて考えている若者は、私の周りにはほぼ皆無です。
25年前の若い労働者よりも、現代の若い労働者のほうが危機感も強く持っている。
起業志向や副業がブームとなるのは、会社に依存しすぎるのが危険だと多くの人が感じていることも、一因だろうと思います。
若いときは「雑巾がけ」で会社にご奉公し、年をとってから楽なマネジメントで取り返すという徒弟修業型のキャリアパスは、組織が永遠に不変で、自分がそこに定年まで終身雇用で勤務するという前提でのみ成り立つインセンティブ・システムである。
ほんとにこの通り。
生涯、自分の組織が安定で給料右肩上がり、退職金もたくさんもらえ、老後は年金生活・・・。
50歳代以上の労働者の労働価値観は、長い間まさにこのとおりだったわけだ。
バブル崩壊という経済状況の大きな変化を境に、50代以上と20〜30代の労働者とでは、意識や価値観が180度違うわけです。
3年ほど前だったか、財政難から、地元の地方公務員の給与カットが行われました。
父親(公務員)と話したとき、「まさか給料が下がるなんて夢にも思わなかった」・・・と父親が言っていたのが、私にはとても印象的でした。
そんなの当たり前でしょ、って私は話したんですけどね、その時は。
父(団塊世代、58歳)と子(私、32歳)ですら、労働に対する価値観のギャップだけは、絶対に埋まりません。
尊敬する父親ではあるが、労働に対する価値観や意識だけは、「寄らば大樹の陰」という基本価値観が長い期間を経て形成されているので、それを今更変えるのは無理です。
J-CASTニュース : 日本電産社長 「休みたいなら辞めろ」発言を否定
社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない
昔みたいに、体育会系のノリで、会社のためにバリバリ働け、というのでは、うつ病や心の病を持つ労働者を増やすだけだろうと思う。
なにかしら、別のインセンティブシステムが必要であるし、新しい労働価値観とシステムに完全に変革するには、今の40歳代以降の人が全員引退するまで、あと20年ほど必要かもしれないとも感じます。
(40歳代以上の世代は、団塊世代の影響が強いのでは?という意味で。)
将来に希望を抱け? 何温いこといっているんですか? – 責任なんて絶対とらねぇ
五十代くらいの人には本当にわからないだろうけど、僕たちの世代って「会社を1mmたりとも信用していない」んですよ。
少なくとも、25年前の若者に比べて、現在の若者は、会社への信用がすごく低下しています。
ゆえに、忠誠心も低下する。
終身雇用や右肩上がりの給料、といった従来のものに取って代わる新しいインセンティブを、企業幹部・経営者は示す必要があります。
その上で、「10年泥のように働け」というのであれば、少しは説得力も増し、若者の心にも届くかもしれません。
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